好きってことを忘れるくらいいつも好きです

今週のお題「もう一度見たいドラマ」

 

毎年12月になったら必ず見返すドラマがある。それは、カルテットだ。

2017年の1月期のドラマで、男女4人がそれぞれ秘密を抱えながらカルテットを結成するという物語だ。

 

このドラマが大好きな理由が幾つもある。

 

ひとつめは、何と言っても登場人物から発せられる言葉だ。共同生活をする中で、食卓を囲む際の会話はもちろんのこと、秘密を少しづつ話していく中でお互いを包み込むような言葉が大好きだ。お気に入りのシーンをいくつか紹介する。(ここから先ネタバレ含みます)

 

 

 

 

まずは1話であり、きっといちばん有名なシーン。「檸檬かけますか?」だ。唐揚げに檸檬をかけるかかけないか、という討論になり、グダグダになりかけていたところでバイオリニストまきさんが呟く。「かけるかけないの問題では無く、何故かける前に聞かなかったのですか?」と。そういうことだ。そういうこと、としか言えないが、そういうことなのだ。かけるかけないの論点ではない。相手の価値観を確認する、この工程が大切なのだと視聴者に訴えた。好き。

 

次に、3話。すずめちゃんというチェリストがいるのだが、彼女の父親の容体が良くないということを聞く。彼女は、父親と疎遠になっていた為に病院にお見舞いに行こうとするが結局病室に入らなかった。すずめちゃんが病院に来ないから、親族がカルテットの住む家へ電話し、まきさんを病室へ呼ぶ。病院から家へ帰る途中、すずめちゃんを見かけて声掛けるまきさん。そんなこんなでカツ丼屋さんへ入る。そこですずめちゃんの口から自身の過去を語る。「やっぱ家族だから行かなきゃダメかなあ」と、心の声を漏らす。それを聞いたまきさんは、「ううん、帰ろ。軽井沢に。これ食べたら帰ろ。」と言う。カツ丼が届き、すずめちゃんは自分の重荷を降ろせた安堵と、まきさんの優しさに、カツ丼を食べながら思わず涙してしまう。そこでまきさんは、「泣きながらご飯を食べたことある人は、生きていけます」と言う。この2人を包む雰囲気は、優しくて温度のあるものだった。

 

そして、私がいちばん好きな話、8話の話をする。タイトルにもあるセリフをすずめちゃんが放つ。

すずめちゃんはいつも三角パックのコーヒー牛乳を飲んでいる。共同生活が始まるとき別府さんから、「それ好きなの?」と聞かれる。すずめちゃんは「あっ、好きだって忘れるくらいいつも好きです」と答える。

すずめちゃんは、別府さんが好き。別府さんはまきさんが好き。それをわかって別府さんとまきさんがうまくいくように頑張っているすずめちゃんのことが、家森さんは好き。皆片想い。

すずめちゃんの就職先が決まり、ピアノコンサートのチケットを職場の人から譲ってもらった時、「好きな人と、好きな人の好きな人に譲っても良いですか?」とすずめちゃんは言った。そんなすずめちゃんに、「君の好きはどこに行っちゃうの?」と聞く。「エスカレーターの下りに乗るときとか、住所を真っ直ぐ書くとき、白い洋服でナポリタンを食べるとき、そんなときにちょっとだけ出てきてくれるの。それくらいの、好きってことを忘れるくらいの好き」と答えた。

この対比が、素晴らしいと思った。同じセリフなのに、こうも違う感情が乗るのか。という反面、同じ感情なのにこうも言い方が変わってしまうのか、とも。

 

 

 

ふたつめは、共同生活している家だ。

とにかくあの家は魅力的すぎる。

 

 

 

 

 

 

ここで一つ報告。このブログを書き始めて1年が経ちました。下書きにおいていたら春になり、このブログは長袖着る季節にしか書けん!と謎のこだわりを見せ、とうとう長袖に袖を通すようになった2021年10月末、このブログを完成させる時が来た、、、!と意気込んでいます。

 

 

 

 

さあ、数ヶ月前の私はカルテットが住む家が魅力的だという話をしていたようだ。そう、本当に魅力的。

まず、リビングに暖炉があるのが超良い。暖炉があるってことはえんとつがあるってことじゃんね、サンタさん、迷わないじゃんね。4人で囲む食卓も、緑の壁も、冬の寒さを視覚から温めてくれるような部屋だと私は思った。

 

 

カルテット、という題名なのだから、もちろん音楽も素晴らしい。好きすぎて私はサントラをダウンロードして寒くなると流して自分もカルテットという素晴らしい世界観の中に入り込んでいるように錯覚させている。

私、このドラマをみて大好きな曲が増えたんです。それはドラゴンクエストの挿入歌の1曲。「ロトのテーマ」

初めてきちんと聴いた機会だったからかもしれないが、あんなに音楽で人をワクワクさせることが出来るんだ、と思った。そこからやったことなかったドラゴンクエストを購入して実際にプレイもした。

私は学生時代に吹奏楽やロックバンドを少しやっていたから誰かと演奏する楽しさを知っているつもりだ。その楽しさが、カルテットの演奏シーンが思い出させてくれる。盛り上がるタイミングで目を合わせたりとか、自分がメロディラインを演奏している時は、ベースパートの人のテンポ感を感じる、とか。見てるとうわーーーー!音楽やりたい!!!!!!!!という気持ちになる。あと、音楽は年齢とか性別とか、各々の抱えている状況なんて知ったこっちゃない。同じ曲を演奏している時は、みんな同じ方向を向いているし、一つなんだ。

 

 

 

 

 

会話劇も、音楽も、部屋も素敵なカルテット、寒くなり始めたこの時期のお供にされてみてはいかがでしょうか。