先程、パスポートを申請してきた。
理由は、今年のゴールデンウィークにタイに友達と旅行に行くから。
表題にある言葉は、わたしが大好きなドラマ、カルテットの中での会話のひとつだ。
今回のタイ旅行はきっと「行った旅行の思い出」になると思うけど、わたしには「行かなかった旅行の思い出」がある。
2021年3月。
この暦を聞くとピンとくる方もいるだろう。
そう、世間が完全にコロナ禍となり街や人から活力的な行動を奪われた時間だ。
2020年の初めからじわじわと猛威をふるったウイルスが、来年には終わるだろうと誰もが思っていたが現実はそうは甘くなかった。
例もなくわたしもその中のひとりだった。
学生が終わった春、当時仲良くしていたクラスメイトと2人で金沢へ行く予定だった。
期待に胸を膨らませながらしおりを作るための写真帳も買ったし、ホテルまで決めていた。
九州からだから一旦京都で乗り換えになるからその乗り換えの間隔少し長くして京都駅で駅弁買おうね、なんて話をしたり。
しかし現実は厳しいもので、その旅行が「行った思い出」になることは無かった。
きっとその子に声を掛けてもう一度金沢を目指せば良いのだろう。
でも、きっとその頃の温度感で、その頃みたいな会話は出来ないはずで。
だからわたしはこの旅行を「行かなかった思い出」として仕舞う選択をしたい。