夏メロ懐メロ

今週のお題「夏うた」 

 

「夏は無性に懐メロが聴きたくなるよね」

 

ある日の休み時間、クラスメイトに呟いた。クラスメイトたちは分からないよ、そんなの。と反論の意を唱えていたが、私自身で納得していたのでそんなものはどうでも良かった。

 

夏。わたしの住むまちは田舎といえば田舎だし、まあこの辺ではそこそこ栄えているといったまちなのだが、もちろん家の近くには田んぼも畑もある。その為、梅雨時にはカエルの鳴き声が夜を支配するし、夏は1日中セミたちの大合唱だ。数年前、そんなある夏の日、わたしは聴いた瞬間に、今後の人生において特別なものになる、と確信した1曲と出会った。

 

Over Drive /JUDY AND MARY

 

衝撃だった。ボーカルの高音に背反するかのようなバッグサウンド、刹那的な夏を永遠かのように感じることのできる歌詞。わたしは一瞬で虜になった。

 

ここからは早かった。この曲に取り憑かれたように毎日毎日何回も聴いた。夏が終わる頃、

 

「ああ、夢はいつまでも醒めない歌う風のように」

 

この曲を聴き続ければ、歌い続ければ夢はずっと夢で居てくれる。醒めることなんてないんだと確信に近い何かを当時18歳だったわたしを刺激した。 

 

この思い出があるから、夏は懐メロを聴きたくなる。本当もウソも興味は無い。